Q.リピート
LTVとは?
LTVとは、1人の顧客が、取引を始めてから終えるまでの間に自社にもたらす価値の合計のことです。「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。実務では、売上ベースで計算する場合と、利益ベースで計算する場合があります。通販・D2Cでは、初回購入だけでなく、その後の継続購入まで含めて顧客との取引を見るための指標として使われます。
計算のしかた
LTVの計算式は1つに決まっていません。売上で見るか利益で見るか、どの期間で区切るかによって、複数の式が使われています。よく使われる式の一例は次のとおりです。
LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間
たとえば、平均購入単価が5,000円、購入頻度が年4回、継続期間が2年の場合、LTVは 5,000円 × 4回 × 2年 = 40,000円です。これは売上で見た金額です。利益で見る場合は、ここに粗利率を掛けます。粗利率が50%なら、20,000円になります。
定期購入やサブスクリプションでは、「1か月あたりの平均単価 ÷ 月ごとの解約率」を、一定の前提を置いた簡易式として使うこともあります。
継続期間は、顧客がいつ取引を終えたのかを確定しにくいため、正確に出すのが難しい数字です。そのため実務では、「初回購入から1年間の購入金額の合計」のように、期間を区切って測る方法も使われます。
どの式を使う場合も、売上か利益か、どの期間で区切るかを決め、毎回同じ条件で測ります。条件が変わると、LTVが上がったのか下がったのかを比べられなくなります。
なぜLTVが重視されるのか
理由は2つあります。
1つは、新規顧客の獲得にかけられる費用を判断する基準になるためです。新規顧客を集めるには、広告費などの獲得費用がかかります。初回購入の利益だけでは獲得費用を回収できない事業では、継続購入まで含めた利益で見ないと、広告費をどこまでかけてよいかを判断できません。
たとえば、顧客1人の獲得に6,000円かかり、初回購入の粗利が2,500円の場合、初回だけを見れば3,500円の赤字です。この顧客のLTV(利益ベース)が20,000円であれば、継続購入によって獲得費用を回収できる計算になります。あわせて、回収までに何か月かかるかも確認します。
もう1つは、売上を「新規顧客の人数」だけでなく、「1人の顧客との取引がどれだけ続いているか」で見られるためです。新規顧客の人数が同じでも、2回目、3回目と購入が続く人の割合によって、1年後の売上は変わります。LTVを追うと、集客の後の購入・継続の状態が数字に表れます。
LTVは何によって変わるか
計算式のとおり、売上で見たLTVは「購入単価」「購入頻度」「継続期間」の掛け算です。利益で見る場合は、ここに粗利率が加わります。それぞれに関わる主な要素は次のとおりです。
- 購入単価:まとめ買い、関連商品・上位商品の提案など
- 購入頻度:次の購入時期に合わせた案内の有無など
- 継続期間:初回購入のあと2回目に進むか、途中で購入が止まらないか
継続期間については、初回購入者が2回目の購入に進む割合(F2転換率)と、購入が止まった顧客(休眠顧客)の人数が手がかりになります。それぞれ、141 ANSWERSの「F2転換率とは?」「休眠顧客とは?」で説明しています。
実務で見るポイント
- 売上か利益かを使い分ける:広告費との採算を見る場合は、売上ベースだけでなく、粗利や利益を踏まえたLTVで確認します。売上ベースのLTVを獲得費用とそのまま比べると、原価などを引く前の金額で回収できたように見えてしまいます。
- 期間を区切って測る:「初回購入から半年」「1年」など、区切りを決めて購入金額の累計を追います。区切りは、商品が買い直される周期に合わせて決めます。
- 獲得経路や初回商品で分ける:全体の平均だけでは、どの経路で獲得した顧客が続いているのかが分かりません。広告の媒体、初回に買った商品、初回割引の有無などで分けて比べます。
- 他社の数字より自社の推移を見る:LTVは商品単価、購入周期、定期購入の有無で大きく変わります。同じ条件で測った自社の推移を追うと、施策の前後で変化を確かめられます。
よくある失敗
- 全体の平均だけを見て、獲得経路や初回商品による違いを確認しない
- 原価などの費用を確認せず、売上ベースのLTVをそのまま広告費の上限として使う
- 継続している人数の変化を確認せず、単価を上げる施策だけを進める
141ではこう見る
OFFICE 141では、LTVを、集客から購入、継続までの顧客導線全体の結果を表す数字として見ています。LTVそのものを直接動かすことはできません。動かせるのは、同梱物、購入後のメール、次回購入の案内など、顧客との接点で「誰に、いつ、何を伝えるか」です。
初回購入から2回目までの区間で何を見直すかは、コラム「F2転換率が上がらない原因は「初回購入後」にある」で詳しく書いています。
自社のLTVをどう測り、どこから見直せばいいか相談したい方へ
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OFFICE 141編集部が、マーケティング実務に関する一般的な情報をまとめています。内容は公開時点の情報をもとにしており、個別の状況によって判断が異なる場合があります。