初回購入は取れている。
商品も悪くない。
購入者へのLINEやメールも送っている。
それなのに、2回目の購入につながらない。
そんなとき、
「F2用のクーポンを出そう」
「定期購入をもっと案内しよう」
「次に買ってほしい商品を紹介しよう」
と、2回目を買ってもらう施策を考えていないでしょうか。
もちろん、それらが必要な場合もあります。
でも、F2転換率が上がらないとき、私たちが先に見たいのは別の場所です。
そのお客様は、1回目の商品を十分に体験できているでしょうか。
商品が届くのを楽しみに待ち、
届いたら開封し、
正しく使い、
商品の良さを感じる。
そして、「これなら、もう一度使いたい」と思えるところまで、初回の体験は完成しているでしょうか。
F2対策は、2回目を売ることから始まるとは限りません。
1回目の体験を、きちんと完成させる。
そこから見直すと、今までとは違うものが見えてきます。
そもそもF2転換率とは?
F2転換率とは、初回購入者(F1)のうち、2回目の購入(F2)に進んだ人の割合です。
たとえば、初めて購入したお客様が1,000人いて、そのうち300人が2回目を購入した場合、F2転換率は30%です。
なお、よく似た指標に「リピート率」があります。リピート率が一定期間の再購入者全体を見るのに対し、F2転換率は「初回購入→2回目購入」だけを切り出して見る指標です。
通販・ECでは重要な指標ですが、ここで気をつけたいことがあります。
単純に、「F2転換率が低い→だから2回目を買わせる施策が足りない」とは限らないことです。
F2が低い原因は、F2の直前にあるとは限りません。
商品を買った直後。届くまで。箱を開けたとき。初めて使ったとき。
そのどこかで、お客様の気持ちが少しずつ離れている可能性もあります。
だからF2という「結果」だけではなく、その数字が生まれるまでの時間も見ていく必要があります。
F2対策は、「2回目を売ること」ではありません
初回購入が完了した瞬間。
企業側から見れば、一つのコンバージョンが成立しています。
でも、お客様側から見ればどうでしょう。
商品体験は、まだ始まってすらいません。
ここには、企業側とお客様側の時間差があります。
企業側では、購入完了 → 売上発生。
でも、お客様側では、
購入
↓
届くのを待つ
↓
開封する
↓
初めて使う
↓
使い続ける
↓
良さを感じる
↓
また欲しいと思う
という時間が流れています。
そして、この間にいくつもの小さな判断が起きています。
「思っていた商品と同じかな」「この使い方で合っている?」「どのくらい使えばいい?」「まだ変化が分からないけれど、大丈夫?」
こうした疑問を、お客様がすべて問い合わせてくれるわけではありません。
不満があってもレビューを書かず、問い合わせもせず、「なんとなく、次は買わない」という選択をする人もいます。
つまり、クレームがないことと、商品体験に問題がないことは同じではありません。
初回購入から2回目まで、御社は何をしていますか?
ここで一度、企業側の施策ではなく、お客様側の時間で見てみます。
購入した。商品を待っている。届いた。箱を開けた。初めて使った。何日か使っている。そろそろなくなる。次を買うか考える。
この間、御社は、お客様に何を届けているでしょうか。
購入完了メール。発送通知。LINE。ステップメール。商品。箱の中に入っている同梱物。会報誌。
これらは別々の施策に見えますが、お客様から見ればすべて一つの商品体験の途中にある接点です。
だから、「ステップメールを何通送るか」「同梱物に何を書くか」だけを単体で考えるのではなく、その瞬間のお客様に、何が必要なのか。という視点でつなげて考える必要があります。
商品が届く前から、顧客体験は始まっています
購入直後は、まだお客様の気持ちが商品に向いている時間です。
「早く届かないかな」「使うのが楽しみ」
そんな気持ちがある一方で、商品が届くまで何日か空けば、購入した瞬間の熱は少しずつ日常の中へ戻っていきます。
だから、購入後のコミュニケーションは、「ご注文ありがとうございました」「発送しました」という事務連絡だけとは限りません。
商品が届くまでの時間も、商品体験の一部にできるからです。
そして、ここでどんな関係をつくるかは、その後のLINEやメールを読んでもらえるかにもつながっていきます。
せっかくステップメールを作っていても、そもそもお客様が読む気を失っていたら、情報は届きません。
重要なのは「何通送るか」より前に、お客様が今、どんな状態にいるのか。を見ることです。
商品が届いた瞬間、「箱の中」は何をしていますか?
商品到着後には、メールやLINEにはない接点があります。
商品と一緒に届くものです。
メールは開かれないことがあります。LINEも読まれないことがあります。
でも、商品を開封したお客様には、箱の中に入っているものを届けることができます。
だから同梱物は、単なるチラシ置き場ではありません。
ブランドを理解してもらう。正しい使い方を伝える。最初につまずきそうなところを先回りする。商品の魅力を、より感じてもらう。
つまり、商品だけでは完成しない体験を、後押しできる場所でもあります。
ただし、何かを入れればいいわけではありません。
「情報を増やす」のではなく、その商品を受け取った人が、いつ、どこで、どんな状況で使うのか。そこまで想像して考える必要があります。
「次に何を売るか」より先に、「ちゃんと使えているか」を見る
F2を改善しようとすると、どうしても次の商品に目が向きます。
「次はこの商品を買ってもらおう」「クロスセルしよう」「定期へ引き上げよう」
もちろん、それも大切です。でも、その前に確認したいことがあります。
最初に買った商品の魅力を、十分に感じてもらえているでしょうか。
たとえば化粧品なら、使う量。使う順番。使うタイミング。ほかの商品との組み合わせ。
食品なら、食べ方や保存方法。日用品なら、使用頻度や交換時期。
同じ商品を届けても、使い方によって体験は変わります。
商品の価値は、商品そのものだけで決まるわけではありません。お客様が、どう体験できたかによっても変わります。
だから商品を届けて終わりではなく、「商品の魅力を十分に感じられるところまで」を初回購入後の設計として考える。F2を見るときには、この視点も必要です。
「何日後に送ればいいですか?」に、万能な答えはありません
F2施策ではよく、「購入から何日後にメールを送ればいいですか?」「何日後に再購入を案内すればいいですか?」という話になります。
ある通販企業の実データでは、2回目購入のタイミングに14日・30日・60日という山が見られました。
でも、ここで大切なのは、「では14日後に送ればいい」という話ではないことです。
これは、その会社の山です。
化粧品と食品では、商品を使い切るまでの時間が違います。同じ化粧品でも、毎日使う商品と週に数回使う商品では違います。
さらに、誰が、どんな目的で、どれくらいの頻度で使っているのか。それによっても再購入のタイミングは変わります。
つまり、どこかで見た「○日後に送ると売れる」という成功事例をそのまま真似しても、自社で同じ結果が出るとは限りません。
あなたの会社には、あなたの会社だけの「2回目購入の山」があります。
大切なのは、正解の日数を探すことではなく、自社のお客様が、いつ、なぜ、もう一度買っているのかを見ること。です。
数字を見る。でも、数字だけでは見ない
ここまで「体験」の話をしてきました。だからといって、F2を感覚だけで考えるわけではありません。数字も見ます。
たとえば、初回購入者のF2転換率。初回購入から2回目購入までの日数。商品ごとのF2転換率。LINEやメールの反応。問い合わせや返品。継続率。
こうした数字を見ることで、「どこで何かが起きていそうか」は見えてきます。
でも、数字が悪い場所と、原因がある場所は同じとは限りません。
F2が低いから、F2施策を増やす。とは限らないのです。
商品体験に原因があるかもしれない。届くまでのコミュニケーションかもしれない。使い方が分かりにくいのかもしれない。そもそも、再購入を案内している時期が、そのお客様に合っていないのかもしれません。
だから私たちは、数字で「場所」を見つけ、顧客体験を見ながら「なぜ」を考えます。
数字と顧客心理。どちらか一方だけではなく、両方を見ることが大切です。
もちろん、顧客体験だけですべてが決まるわけではありません
ここまで読むと、「良い体験を作れば、F2は上がるという話?」と思われるかもしれません。
そう単純ではありません。
価格。送料。商品の品質。競合商品。当然、これらも再購入を左右します。
どれだけ丁寧なフォローをしても、商品や価格そのものに問題があれば、コミュニケーションだけですべてを解決することはできません。
一度満足しても、次回購入時には他の商品と比較されることもあります。
だから私たちは、「顧客体験さえ良ければF2は上がる」とは考えません。
そのうえで、商品にも大きな問題がない。価格にも大きな問題がない。初回購入も取れている。
それなのにF2が伸びないのであれば、初回購入から2回目までの間に、まだ見えていない改善余地があるかもしれない。そう考えます。
F2の数字だけでは、原因までは分かりません
F2が低い。同じ結果が出ていても、原因は会社によって違います。
商品が届くまでにあるのか。開封した瞬間にあるのか。商品体験にあるのか。LINEやメールにあるのか。再購入を案内するタイミングにあるのか。あるいは、そもそも商品や価格にあるのか。
原因が違えば、やるべきことも変わります。
まず、お客様のつもりで自社の商品を一度買ってみるだけでも、今まで見えていなかったものに気づくことがあります。
ただ、「ここで気持ちが離れるかもしれない」と気づくことと、どこが原因で、何をどう直すべきかを判断することは別です。
そして、他社の成功事例に自社を合わせる必要もありません。
他社には、他社の顧客がいます。
御社には、御社の商品があり、御社のお客様がいて、御社だけの購入までの時間があります。
だから必要なのは、一般的なF2施策を増やすことではなく、自社のお客様が、初回購入から2回目までにどんな体験をしているのかを、一度つなげて見ること。なのだと思います。
「F2が低い。でも、どこから見直せばいいのか分からない」ときに
OFFICE141の「顧客導線レビュー」では、F2転換率だけを切り取って見ることはしません。
LP。初回購入。商品が届くまで。商品体験。LINEやメール。同梱物。F2。継続。
お客様が実際に触れているものを前後につなげながら、いま症状が出ている場所だけでなく、その周辺まで一緒に見ていきます。
「数字は見ている。でも、原因が分からない」「いろいろ施策をしているけれど、どこから直すべきか判断できない」
そんなときは、一度、顧客導線全体を外から見てみるのも一つの方法です。

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