Q.メール
ECのステップメールのシナリオはどう作る?
ECのステップメールは、まず「何をした人に送るか」と「どんな行動につなげたいか」を決めます。次に、その人が判断するために必要な情報を順に並べ、各通の役割と、途中で購入した場合などの終了・切り替え条件を決めます。最初に作るのは、対象となる人がいて、今の案内が足りず、購入までの流れに課題がある場面のシナリオです。
起点と目的を、1つのシナリオに1組決める
ステップメールの起点は、会員登録、初回購入、カートに商品を入れたまま購入しなかった、しばらく購入がない、といった顧客の行動です。起点が決まると、相手がどんな状態にいるかの見当がつきます。
目的は、そのシナリオの最後に相手に取ってほしい行動です。ECのシナリオの例を、起点・目的・相手の状態で並べると次のようになります。
| 起点 | 目的の例 | 相手の状態 |
|---|---|---|
| 会員登録・メルマガ登録 | 初めての購入 | 店や商品をまだよく知らない |
| 初回購入 | 使い始めてもらい、2回目の購入につなげる | 商品が届く前後で、使い方や合うかどうかが気になる |
| カートに入れたまま購入しなかった | 購入手続きの完了 | 買うかどうか迷っている、手続きを後回しにした |
| しばらく購入がない | もう一度検討してもらう | 店のことを忘れている、ほかで買っている可能性もある |
一つのシナリオでは、全体として何につなげたいかをそろえます。たとえば、定期購入を検討してもらう流れの中で、先に使い方を案内することはできます。各通の役割が同じ目的につながっているかを確認し、対象者や必要な時期が異なる案内は、別のシナリオに分けます。
カゴ落ちと休眠のメールについては、141 ANSWERSの「カゴ落ちメールはいつ・何通送る?」「休眠顧客の掘り起こしメールには何を書く?(EC・通販)」で説明しています。
相手が知りたいことを並べ、各通の役割にする
起点と目的が決まったら、その間に相手が知りたいこと、迷いそうなことを、時間の順に書き出します。それを1通ずつに割り振ったものが、各通の役割になります。
会員登録を起点に、初めての購入を目的にした場合を、説明のための仮の例で示します(食品の通販の場合)。
- 登録の直後:登録のお礼と、特典の受け取り方
- 数日後:初めての人に向く商品と、その選び方
- その後:送料、届くまでの日数、支払い方法など、注文の前に気になる点
- 最後の通:届いたあとの保存方法や食べ方など、買ったあとの不安に先に答える情報
扱う商品が違えば、書き出す内容も変わります。衣類ならサイズの選び方や交換の条件、化粧品なら肌に合うかどうかの確かめ方が入ります。各通で伝えることを一つにし、「このメールで何を分かってもらうか」を一文で言えるようにします。通数と間隔の決め方は、141 ANSWERSの「ステップメールは何通・どんな間隔で送る?」で説明しています。
特典を入れる場合は、どの通で、何の迷いに応えるために入れるのかを決めます。価格のほかに、使い方や合うかどうかで迷っている人には、特典より先にその答えが必要です。
終了条件と分岐を、文面より先に決める
シナリオを動かし始めると、途中で状況が変わる人が出てきます。次のような場合にどうするかを、文面を書く前に決めておきます。
- 目的を達成した人:カゴ落ちのシナリオなら、購入した時点で配信を止めます。購入した人に「お買い忘れはありませんか」と届くと、顧客を戸惑わせることがあります。
- 別のシナリオの起点を迎えた人:会員登録後のシナリオの途中で初回購入した人は、登録後のシナリオを止めて、購入後のシナリオに移します。
- 配信停止をした人:停止を申し出た対象の広告・案内メールが、別のシナリオからも届き続けないようにします。注文確認や配送連絡など、取引に必要なメールとは分けて設定を確認します。
分岐は、相手の行動で流れを分けるものです。たとえば、商品ページをクリックした人には詳しい説明の続きを、クリックしなかった人には別の切り口の案内を送る、といった形です。分岐を増やすほど、作るメールと確認する設定が増えます。最初は分岐を少なくし、配信の結果を見てから足します。
メルマガと同じ人に届く場合の調整は、141 ANSWERSの「メルマガとステップメールはどう使い分ける?」で説明しています。
どのシナリオから作るか
最初に作るシナリオを決めるときは、次の点を比べます。
- 起点となる行動が月に何件起きているか:起点となる行動が少ない場面のシナリオは、作っても届く人が限られます。
- 今、その場面に案内があるか:注文確認メールしか送っていない、カゴ落ちの案内がない、など、抜けている場面を確認します。
- どの段階で止まっているか:同じ期間で、登録した人のうち初回購入に進んだ割合が低いなら登録後、初回購入した人のうち2回目に進んだ割合が低いなら初回購入後、のように、止まっている段階に近い場面を選びます。
- 作って運用し続けられるか:シナリオは、作った後も文面や条件の見直しが続きます。担当者が手を入れられる数から始めます。
配信を始めたあとに見ること
シナリオの結果は、起点を迎えた人のうち、どれだけが目的の行動に至ったかで見ます。メールがなくても行動する人を含むため、この割合をそのままシナリオの効果とは扱いません。比べるときは、起点から同じ日数が経った人どうしで比べ、まだ確認期間を終えていない人は分けて集計します。
通ごとのクリックや配信停止は、どの通の役割が相手の状態と合っていないかを探す手がかりになります。途中で目的を達成した人は終了条件で外れるため、後半の通は、まだ達成していない人だけが受け取ります。後半の通の数字が低いだけで不要とは判断せず、そこまで残った人の状態に内容が合っているかを確かめます。
出典
- 「ステップメールの効果を高めるシナリオ設計や事例を紹介」CM.com Japan株式会社(2023年1月4日公開、2023年7月7日更新)https://www.cm.com/ja-jp/blog/how-to-create-stepmail/
- 「ステップメールのシナリオとは?その設計方法や文面作成のコツを解説」FID(2022年10月13日公開)https://marketing.f-i-d.jp/blogs/what-is-a-step-e-mail-scenario
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