Q.メール
休眠顧客の掘り起こしメールには何を書く?(EC・通販)
通販・ECの休眠顧客に送る掘り起こしメールには、①以前に利用した店・商品だと思い出せる用件、②もう一度検討する理由になる新しい情報や使いみち、③購入が止まった理由に合う提案、④次に何をすればよいかが分かる案内の4つを書きます。全員に同じ割引を知らせる文面にするのではなく、購入履歴から止まった理由の見当をつけ、②と③の中身を相手に合わせて変えます。
何か月購入がなければ休眠と考えるかは、141 ANSWERSの「休眠顧客とは?」で説明しています。
① 誰からの、何の知らせかが分かるように書く
しばらく購入していない人は、店名や、何を買ったかを覚えていないことがあります。覚えのない差出人からのセール告知は、ほかの広告メールと区別されないまま読み飛ばされるおそれがあります。件名と書き出しで、次の2点が伝わるようにします。
- どの店からのメールか:差出人名か件名で、購入時に顧客が目にしていた店名・ブランド名が分かるようにします。運営会社名と店名が違う場合は、顧客が見ていたほうを使います。
- なぜ自分に届いたのか:「以前◯◯をご購入いただいた方へ」のように、過去の購入に触れます。配信ツールで商品名や購入時期を差し込める場合は、具体的な商品名を入れると、自分に宛てた連絡だと伝わりやすくなります。
購入履歴を差し込むときは、データの状態を先に確認します。贈り物として購入した人や、返品した人に「ご愛用の◯◯」と書くと、不信感につながることがあります。商品名まで出せる状態でなければ、商品のカテゴリや「以前ご利用いただいたお客様へ」という書き方にとどめます。
② もう一度検討する理由を、事実で示す
店を思い出してもらえても、購入をやめたときと同じ情報しかなければ、あらためて検討するきっかけにはなりにくいと考えられます。最後の購入のあとに変わったことや、相手がまだ知らない使いみちを伝えます。候補になるのは次のような情報です。
- 商品の変化:リニューアル、新商品、サイズ・容量・種類の追加
- 買い方の変化:届く間隔を選べるようになった、送料の条件や支払い方法が変わった、など
- 使いみちの提案:季節に合った使い方、ほかの商品との組み合わせ、使い切れなかった人に向けた使い方
- 相手に関する事実:保有ポイントとその有効期限など
商品や購入条件の変更を伝えるときは、実際に変わった点を具体的に書きます。使いみちや保有ポイントを紹介する場合も、事実に沿って案内します。変更がないのに「新しくなりました」と書いたり、期限のない特典に期限があるように見せたりしません。化粧品や健康食品で効果・効能に触れる場合、広告表現については薬機法・景品表示法等の確認が必要です。
伝えられる変化がないときは、新しさを無理に作らず、使いみちの提案を中心にします。
③ 購入が止まった理由に合わせて、提案を変える
購入が止まった理由は人によって違い、メールを送る側には直接は分かりません。ただし、止まる前の買い方から見当をつけることはできます。次の表は整理の一例です。自社の商品と顧客に当てはまるかは、購入データや問い合わせの内容で確かめてください。
| 止まる前の買い方 | 考えられる理由の例 | 文面で提案する内容の例 |
|---|---|---|
| 初回の購入だけで止まった | 使い方が分からなかった、良さを感じる前に使い終えた、自分に合うか判断できなかった | 使い方や使う量の案内、別の種類や少量サイズの紹介 |
| 何度か購入したあとに止まった | 手元に余っている、飽きた、ほかの商品に切り替えた | 新商品や別の使い方、容量や購入間隔の選択肢 |
| 定期購入を解約した | 届く間隔や量が合わなかった、費用が負担になった | 必要なときだけ購入する方法、再開する場合に選べる容量やお届け間隔(選択肢がある場合) |
| セールや特典のときだけ購入していた | 通常の価格では購入の対象になっていない | 次のセールや特典の案内 |
解約時のアンケートなどで理由が記録されている場合は、推測よりもその記録を優先します。理由が分からない相手には、メールの中で尋ねる方法もあります。「購入をお休みされている理由を教えてください」という1問のアンケートは、回答が次の文面を決める材料になります。
割引などの特典は、提案の一つとして扱います。価格や送料が理由で止まった人には合いますが、使い方が分からなかった人や、手元に余っている人にとって、割引は止まった理由への答えになりません。休眠期間が長い人ほど割引を大きくするという決め方も、期間の長さからは止まった理由が分からないため、勧めません。特典を付ける場合は、対象の商品、期限、利用条件を文面に明記します。
④ 次にすることを一つに絞って案内する
文面の最後には、読んだ人がそのまま動ける案内を置きます。
- 主な行き先を一つにする:以前購入した商品のページ、提案した商品のページ、アンケートなど、③の提案に対応するリンクを一つ目立たせます。行き先を並べすぎると、何を伝えたいメールなのかが分かりにくくなります。
- 再購入の手間を減らす:久しぶりに利用する人は、ログイン用のパスワードを忘れていることがあります。パスワードの再設定方法や、住所・支払い方法の変更方法を書き添えます。
- 問い合わせ先と配信停止の方法を示す:今後のメールが不要な人が、迷わず止められるようにします。
送る前に確認すること
商品の案内を含む掘り起こしメールを送る前に、広告メールに関する法律のルールを確認します。特定電子メール法では、広告・宣伝のためのメールは、原則としてあらかじめ同意した人にだけ送信でき、受信拒否の通知を受けたあとは送信できないと定められています。送信者の名称や、受信拒否の通知ができる旨とその通知先を表示することも求められます。消費者向けの通信販売の電子メール広告には、特定商取引法の規制もあり、請求や承諾のない相手への送信は原則として禁止されています。個別のメールが規制の対象になるかどうかは、法務担当や専門家に確認してください。
休眠顧客のリストでは、次の2点を見ます。
- 購入履歴から抽出したリストが、メールの受信に同意した人に絞られていて、メルマガの配信停止も反映されているか
- 長く配信していなかった宛先には、すでに使われていないアドレスが含まれることがあります。エラーの理由を確認し、存在しないアドレスなど継続して届けられない宛先を、以後の配信から外せるかを見ます。
送ったあとは、文面ごとに結果を見る
- 開封やクリックに加えて、再購入と配信停止を、提案の種類ごとに見ます。提案によって送った人数が違うため、人数だけでなく配信数に対する割合でも確かめます。
- 特典を付けた文面は、戻った人数だけで評価しません。特典で再購入した人が、その後に通常の条件でも購入しているかを追います。
出典
- 「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」総務省ウェブサイト掲載(2018年7月。問い合わせ先:総務省・消費者庁・一般財団法人日本データ通信協会)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_pamphlet.pdf
- 「通信販売」消費者庁 特定商取引法ガイド https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
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