Q.リピート
定期通販の継続率はどう計算する?
定期通販の継続率をお届け回数ごとに見る場合は、同じ時期に定期の初回を受け取った人数を分母にし、そのうち2回目、3回目を受け取った人数の割合を出します。あわせて、前の回を受け取った人数を分母にすると、どの回から次の回へ進む割合が低いかが分かります。この記事では、契約が続いているかではなく、実際に受け取った回数で計算します。
基本の計算:初回の人数を分母に固定する
ある月に定期の初回を受け取った人を1つの集団として扱い、その人たちだけを追います。
n回目の継続率(%)= n回目を受け取った人数 ÷ 初回を受け取った人数 × 100
「n回目」は、その人が受け取った回数で数えます。分母は最後まで初回の人数のままです。途中で申し込んだ人や、別の月に始めた人は、この集団に入れません。こうして出した率は、回数が進むほど下がるか、同じ値にとどまります。初回から数えて、その回まで続いている人がどれだけ残っているかを表す数字です。
もう一つの見方:前の回を分母にする
n回目への継続率(%)= n回目を受け取った人数 ÷ (n−1)回目を受け取った人数 × 100
こちらは、1つ前の回まで続いた人のうち、次の回に進んだ人の割合です。回と回の間でどれだけ離れているかが分かるため、離れる人が多い回を探すのに使えます。
2つは同じ「継続率」と呼ばれることがあるので、社内でどちらを使っているのかをそろえておきます。
計算例
次は説明用の仮の数字です。4月に定期の初回を受け取った1,000人を、毎月お届けのコースで追い、全員が4回目のお届け予定日を過ぎた8月に集計した場合とします。休止・スキップをした人はいないものとします。
| 受け取った人数 | 初回を分母にした継続率 | 前の回を分母にした継続率 | |
|---|---|---|---|
| 初回 | 1,000人 | 100% | ― |
| 2回目 | 720人 | 72% | 72% |
| 3回目 | 590人 | 59% | 約82% |
| 4回目 | 500人 | 50% | 約85% |
初回を分母にすると、4回目を受け取った人は半数です。前の回を分母にすると、初回から2回目へ進む割合が最も低いことが分かります。この例なら、まず初回から2回目の間に注目し、解約理由、価格やお届け条件、商品の使用状況、購入後の案内を確認します。数字だけでは、案内に原因があるとは判断できません。
正しく比べるための3つの条件
比べる集団の観察期間をそろえる
初回を受け取った月ごとに集団を分け、比較する回まで受け取れる期間が経ってから集計します。まだその回のお届け予定日を迎えていない人がいる集団は、途中経過として扱います。集団を比べるときは、初回から同じ期間が経った時点の数字を使います。配送の遅れや休止で受け取りが後になる人もいるため、予定日を過ぎただけで解約と判断しないようにします。
休止・スキップをどう数えるか決めておく
この記事の計算では、休止やスキップをした人も初回の分母に残し、集計時点で実際に受け取った回数までを数えます。再開して次の商品を受け取れば、その回の人数に加わります。休止中の人と解約した人は別に記録し、「まだ次を受け取っていない人」をすべて解約者として扱わないようにします。
契約が続いている人の割合を見たい場合は、お届け回数ごとの継続率とは別の指標として集計します。
別々の集団の人数を割らない
「今月の3回目のお届け人数 ÷ 今月の新規申込み人数」のように、始めた時期が違う人どうしの人数を割っても、継続率にはなりません。毎月の新規申込みの数が変われば、継続の状態が同じでも数字が動きます。「今月末の定期会員数 ÷ 先月末の定期会員数」も、新しく申し込んだ人が含まれるため、会員数の増減を表す数字で、同じ人が続いた割合ではありません。
カートや分析ツールの画面に出る「継続率」は、分母や数える回が自社の定義と同じとは限りません。社内資料の数字と比べる前に、計算方法を確認します。
F2転換率と同じ値になる場合、ならない場合
初回を分母にした2回目の継続率は、F2転換率と同じ考え方の数字です。次の3つがそろえば、同じ値になります。
- 分母が同じ:同じ時期に初めて購入した、同じ人たちを分母にしている
- 2回目の数え方が同じ:何を「2回目」と数えるかが一致している
- 観察期間が同じ:2回目を何日以内まで数えるかが一致している
実際には、対象や数え方がずれることがあります。F2転換率では、単品で初めて買った人も含め、2回目は商品を問わず数える場合があります。一方、この記事の定期継続率は、定期の初回を受け取った人を分母にし、同じ定期契約での2回目の受け取りを数えます。
以前に単品で買った人が定期を始めた場合は、定期継続率の分母には入っても、その時点の初回購入者には当たりません。また、初めての購入が定期だった人が、2回目のお届け前に解約して単品を購入した場合、その購入はF2に数えられても、定期の2回目には入りません。報告するときは、それぞれの対象と数え方を書き添えます。
離れる回が分かったあと、その回の前に何を見直すかは、「定期通販の解約率を下げるには?」で説明しています。
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