Q.CRM
通販・ECのCRMではどのKPIを見る?
通販・ECのCRMで見るKPIは、伸ばしたい売上を「購入した人数・1人あたりの購入回数・1回あたりの購入金額」に分け、そのうち自社が改善しようとしている段階を表す指標から選びます。代表的なのは、F2転換率、定期の回数ごとの継続率、一定期間の購入回数、客単価、期間を区切ったLTVです。指標の数を増やすより、改善する接点に対応した少数の指標を、同じ顧客集団・同じ観察期間で追うほうが判断に使えます。
売上を、顧客の動きに分ける
CRMで動かそうとしているのは、お客様が2回目を買う、買い続ける、1回に買う量が増える、といった顧客の動きです。売上の数字だけを見ても、どの動きが変わったのかは分かりません。そこで、売上を次のように分けて考えます。
売上 = 期間内に購入した人数 × 1人あたりの購入回数 × 1回あたりの購入金額
購入した人数は、その期間に初めて買った人と、以前から買っている人に分かれます。新規の獲得は広告や集客の領域で、CRMが主に関わるのは、初めて買った人が2回目に進むこと、続けて買うこと、1回の購入金額です。
主な指標と、それぞれが表すことは次のとおりです。
| 指標 | 表すこと | 関わる段階 |
|---|---|---|
| F2転換率 | 初めて買った人のうち、2回目を買った人の割合 | 初回購入から2回目 |
| 回数ごとの継続率(定期) | 定期の初回を受け取った人のうち、n回目を受け取った人の割合 | 定期の継続 |
| 一定期間の購入回数 | 決めた顧客の集団について、期間内の注文件数を、その集団の人数で割った1人あたりの購入回数。期間内に購入しなかった人も分母に含める | 2回目以降の購入 |
| 客単価 | 1回の注文あたりの購入金額 | まとめ買い・追加購入 |
| 期間を区切ったLTV | 同じ時期に買い始めた顧客について、決めた期間(例:初回購入から1年)の売上または利益を、その顧客集団の人数で割った1人あたりの金額 | 上の積み重ね |
| 休眠の割合 | これまでに購入した人のうち、最後の購入から決めた期間買っていない人の割合 | 離れかけている顧客 |
「リピート率」は、期間内に購入した人のうち2回目以上の人の割合とする場合もあれば、F2転換率と同じ意味で使う場合もあります。社内やツールで使い方が違うことがあるため、何を分母にしているかを先に確認します。
最終的に見たいのが利益であれば、値引き後の売上から、商品原価、送料の自社負担、配信・制作などの費用を差し引いて確認します。どの費用まで含めるかは、比較する期間や施策でそろえます。割引で2回目の購入を増やした結果、F2転換率は上がっても利益が減ることがあるためです。
改善する接点に合わせて、指標を選ぶ
KPIは、いま見直している接点の結果が表れる指標を選ぶと、施策の判断に使えます。たとえば次のような対応です。
- 初回購入後の案内(同梱物・購入後のメールなど)を見直している:F2転換率と、2回目を買った人が初回から何日目に買っているか
- 定期の解約が課題になっている:回数ごとの継続率と、解約・休止の理由の記録
- 既存のお客様への定期的な案内(メルマガ・LINEなど)を見直している:案内の対象にした人の、一定期間の購入回数と購入金額
- 1回の購入金額を上げたい:客単価と、セットや追加の商品を一緒に買った注文の割合。あわせて、購入回数が減っていないか
開封率やクリック率は、1通ごとの案内の反応を見る指標です。案内の中身を直すときには使えますが、それだけでCRMの成果は判断できません。KPIを購入や継続の指標に置き、開封やクリックはその下で原因を探すための数字として扱うと、報告と判断がつながります。
最初から多くの指標を並べず、最終的に見る指標と、いま改善している段階の指標に絞ると、毎月の報告で何が変わったのかを追いやすくなります。施策の重心が変われば、見る指標も入れ替えます。
顧客の集団と観察期間をそろえる
同じ指標でも、数え方がそろっていなければ比べられません。
- 同じ時期に買い始めた人を1つの集団として追う:初回購入の月ごとに集団を分け、その人たちだけを追います。期間全体の「購入者のうち2回目以上の人の割合」は、その月の新規購入者の数に左右されます。広告を増やして新規が増えた月は、既存のお客様の動きが変わっていなくても、割合が下がって見えます。
- 観察期間を決める:2回目を何日以内まで数えるか、LTVを何か月で区切るかを決め、毎回同じ条件で集計します。観察期間が終わっていない人を含めると、数字が低く出ます。
- 割合と人数を一緒に見る:割合が上がっても、対象の人数が減っていれば、購入の件数は増えていないことがあります。
外部に運用や分析を任せている場合も、報告に使う指標ごとに「分母は誰か、何を数えるか、どの期間か」を書き出して共有しておくと、月ごとの数字の変化を同じ前提で話し合えます。
F2転換率・定期の継続率・LTVの計算方法は、141 ANSWERSの「F2転換率とは?」「定期通販の継続率はどう計算する?」「LTVとは?」で説明しています。
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