Q.LP
CPAが高騰したとき、何を見直す?
CPAが上がったときは、まず計測や比較の条件が変わっていないかを確かめ、そのうえでCPAを「クリック単価」と「コンバージョン率(CVR)」に分けて、どちらが変わったのかを見ます。クリック単価が上がったなら広告側の競争や配信の設定を、CVRが下がったなら集めている人、広告とLPの内容、LPや申込みの条件を確認します。あわせて、獲得した顧客がその後どれだけ購入しているかを見て、上がったCPAが採算に合わなくなっているのかを判断します。
先に、数字の変化が本当かを確かめる
CPAは「広告費÷コンバージョン(CV)の件数」です。CVの件数が正しく数えられていなければ、広告やLPに問題がなくてもCPAは上がって見えます。
- CVの定義と計測:何をCVとして数えているか(購入、お試しの申込み、定期の申込みなど)。計測タグの設定やCVの対象を、期間の途中で変えていないか。実際の注文・申込みの記録と比べて、不自然な差がないか。
- 比べている期間:セールや季節の需要がある時期と、ない時期を比べていないか。直近の数日だけで判断していないか。CVの件数が少ない期間は、数件の差でCPAが大きく動きます。
- 設定を変えた時期:入札戦略、予算、配信の対象、広告文、LPを変えた日と、CPAが上がり始めた日を並べます。Google 広告のスマート自動入札では、設定変更への調整や、クリックからCVが発生・反映されるまでに時間がかかります。変更直後の数日だけで良し悪しを決めず、調整期間とCVが反映されるまでの時間を考慮して評価します。ただし、計測やフォームの不具合がないかは、待たずに確認します。
CPAを「クリック単価」と「CVR」に分ける
CPAは次の2つの数字で決まります。
CPA = クリック単価 ÷ CVR(CV件数 ÷ クリック数)
仮の計算例です。クリック単価100円、CVR2%(計算では0.02)なら、CPAは5,000円です。CVRが2%のままクリック単価だけが120円になると、CPAは6,000円です。一方、クリック単価が100円のままCVRだけが1.6%になると、CPAは6,250円になります。同じ「CPAが上がった」でも、どちらの数字が動いたかで、見直す場所が変わります。
この計算では、CVRの分母を広告のクリック数にそろえます。アクセス解析のセッション数を分母にしたCVRと混ぜると、計算が合わなくなります。
全体の数字だけでなく、媒体・キャンペーン・キーワードや配信先ごとにも分けます。どの配信先もCPAが変わっていないのに全体だけ上がっている場合は、CPAの高い配信先に広告費が多く回るようになったことが、原因になっている場合があります。
クリック単価が上がった場合
- 競争が強まっていないか:同じ検索語や同じ配信対象に広告を出す会社が増えると、クリック単価は上がりやすくなります。Google 広告の検索キャンペーンでは、オークション分析のレポートで、同じオークションに参加している他の広告主とのインプレッションシェアや掲載の重なりを比べられます。
- 自社で配信の設定を変えていないか:入札戦略や目標値、配信する地域・時間帯・対象を変えた時期と照らし合わせます。
- 広告とクリック先のページが、検索した人の探しているものに合っているか:Google 広告のヘルプは、一般に広告の品質が高いほうがクリック1回あたりの費用は安くなるとし、広告の関連性やランディングページの利便性を確認する項目に挙げています。広告文やLPを変えた時期に、クリック単価が上がっていないかを確かめます。
競争によってクリック単価が上がっている場合、広告側の調整だけでは元に戻せないことがあります。その場合は、同じクリック単価でも申込みが増えるよう、CVRの側を見直す余地がないかもあわせて確認します。
CVRが下がった場合
- 集めている人が変わっていないか:配信の対象を広げた、新しい媒体を加えた、検索語の範囲が広がった、といった変化で、商品の対象ではない人や情報を集めている段階の人のクリックが増えていないか。
- 広告とLPの内容が合っているか:広告で伝えた商品・価格・特典が、LPですぐ見つかるか。広告文だけ、LPだけを変えて、両者がずれていないか。
- LPと申込みの流れに問題がないか:ボタンやフォームの不具合、スマートフォンでの表示、表示の遅さ。
- LPの外の条件が変わっていないか:価格、初回の割引、送料、在庫、届くまでの日数。競合がより条件のよい販売やキャンペーンを始めた場合も、同じLPのままCVRが下がることがあります。
集めている人と広告の内容の切り分けは「広告はクリックされるのに売れないのはなぜ?」、LPの中のどこで離れているかの見方は「LPのCVRが低い原因は?何から見直す?」で説明しています。
CPAだけでなく、採算と回収で判断する
CPAが上がったことは、それだけで失敗とは限りません。ただし、CPAは設定したCV1件あたりの広告費で、新しい顧客1人を獲得する費用とは限りません。申込み後に購入しない人や、既存顧客の購入が含まれる場合は、実際に獲得した新規顧客の人数と費用を別に確認します。採算は、その顧客集団から得られる利益で、獲得費用をどのくらいの期間で回収できるかを見ます。
- 獲得した顧客のその後の購入:初回の購入だけで終わる人が多いのか、2回目以降も買っているのか。獲得した経路(媒体・広告・初回の商品)ごとに分けて見ます。
- 利益で見る:値引き後の売上から、商品原価、送料の自社負担、決済手数料などの費用を差し引き、獲得費用の回収に充てられる金額を確認します。広告費のほかに運用・制作費も獲得費用に含める場合は、その範囲をそろえて比べます。
継続して買う顧客が多い経路なら、CPAが上がっても採算が合う場合があります。 ただし、これまでの顧客の購入実績は、過去に獲得した顧客のものです。配信の対象や初回の条件を変えて獲得した顧客が、同じように買い続けるとは限りません。新しく獲得した顧客の2回目の購入を確かめないまま、過去のLTVを理由にCPAの上昇をそのままにしないようにします。LTVの考え方と計算は「LTVとは?」で説明しています。
社内で理由を説明するときは、「計測と比較条件の確認結果」「クリック単価とCVRのどちらが、いつから、どの配信先で変わったか」「獲得した顧客の回収の状況」の順に示すと、広告・LP・購入後のどこを直すのかを共有しやすくなります。
出典
- 「スマート自動入札の学習について」Google 広告 ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/13020501?hl=ja
- 「オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する」Google 広告 ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/2579754?hl=ja
- 「広告の品質について」Google 広告 ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/156066?hl=ja
自社の場合、どこを見直せばいいか相談したい方へ
OFFICE 141では、CRM・リピート・顧客導線について無料相談を受け付けています。
OFFICE 141編集部が、マーケティング実務に関する一般的な情報をまとめています。内容は公開時点の情報をもとにしており、個別の状況によって判断が異なる場合があります。