新規のお客様は取れている。
広告からの流入もある。
それなのに、思ったほど売上が積み上がっていかない。
そんなとき、「もっと新規を増やそう」と広告費を上げる前に、一度確認してほしいことがあります。
今いるお客様は、どこまで進んでいますか?
広告をクリックしたあと。
LINEに登録したあと。
商品を買ったあと。
そして、2回目、3回目。
新規獲得はできていても、その途中でお客様が離れていれば、売上はなかなか積み上がりません。
そして難しいのは、数字が悪い場所と、原因がある場所が、必ずしも同じではないということです。
この記事では、通販・D2Cなど継続的にお客様との関係を育てていくビジネスを中心に、顧客が離れやすい5つの接点を見ていきます。
全部読む必要はありません。
まず、自社にいちばん近いところから見てみてください。

まず、あなたの会社はどこですか?
広告のクリックはある。でも購入が増えない
→ 接点1「広告→LP」へ
LINEやメルマガの登録者は増える。でも、その後の反応が弱い
→ 接点2「登録直後」へ
初回購入は取れる。でも商品到着後のフォローが弱い
→ 接点3「初回購入後」へ
初回は売れる。でも2回目の購入が少ない
→ 接点4「F2転換前」へ
継続してくれる。でも途中で離れていく
→ 接点5「継続・解約前」へ
接点1 広告→LP|CVRが高いLP=良いLPとは限りません
広告を出している。
クリックもされている。
でも、購入が増えない。
そんなとき最初に疑われやすいのがLPです。
「デザインを変えよう」
「コピーを強くしよう」
「もっとオファーを強くしよう」
でも、私たちがLPを見るときは、LPだけを見ません。
まず確認するのは、広告で伝えたことと、LPで伝えていることがつながっているか。
たとえば広告では、「忙しい朝でも続けられる」に惹かれてクリックしたのに、LPを開いたら成分の話から始まっている。
これでは、お客様からすると「さっきの話はどこ?」となります。
広告で生まれた興味を、LPがきちんと受け取れているか。ここがひとつ目です。
でも、もうひとつあります。
そのLPから買ったお客様は、その後も買っていますか?
ここは、意外と見落とされます。
たとえば、Aの広告・LPからは、100人が購入した。
Bの広告・LPからは、70人が購入した。
初回購入だけを見れば、Aの勝ちです。
でも、その後2回目を買った人が、Aは10人。Bは25人。だったら、見え方は変わります。
強い値引きや強い訴求で初回購入だけを増やしても、「一度だけ買う人」を一生懸命集めていたら、売上は積み上がりません。
LPは、初回購入を取るためだけのページではありません。
どんなお客様と出会い、その後どんな関係につながっていくのか。CRMの視点を持つと、LPの評価そのものが変わります。
今日、ひとつ見るなら
広告・LPごとに「初回購入数」だけでなく、その後のF2(2回目購入)まで追えるか確認してみてください。
「よく売れている入口」と「よく育つ入口」は、同じでしょうか。
接点2 LINE・メール登録直後|登録した瞬間から、お客様の熱は少しずつ下がっていきます
LINEに登録してくれた。
メールアドレスを登録してくれた。
企業側から見ると「リストが1件増えた」瞬間です。
でも、お客様側では、「ちょっと気になる」「もっと知りたい」と、気持ちが動いた瞬間です。
この熱が高い時間を、何に使うか。ここは、その後のCRMを大きく左右します。
登録直後にクーポンを送って終わり。次に届くのは数日後のキャンペーン。それでは、せっかく動いた気持ちが続きません。
登録直後に考えたいのは、その場ですぐ売ることだけではありません。
「この会社から届くものは、ちょっと見ておきたい」と思ってもらえるか。
これから届くLINEやメールを読む理由を作る。商品を注文しているなら、「早く届かないかな」「届いたらすぐ開けてみたい」と思ってもらう。
実は、商品が届いてもすぐに開封しないお客様もいます。
その状態で「商品到着3日後にこのメールを送る」と精巧なステップメールを組んでも、まだ商品を使っていなければ、コミュニケーションがズレてしまいます。
ステップメールを作る前に、そのステップにお客様が進んでいるか。ここまで見ておく必要があります。
今日、ひとつ見るなら
登録直後に送っているLINEやメールを開いてみてください。そこには「買ってください」以外に、次に届くものを楽しみにする理由があるでしょうか。
接点3 初回購入後|リピート率を左右する商品体験──同梱物は「チラシ」ではありません
商品が売れた。発送した。
企業側では、ひとつの仕事が終わったように見えます。
でも、お客様にとっては、ここからが商品体験の始まりです。
いつ使うのか。どこで使うのか。どのくらい使うのか。
企業が想定している使い方と、実際のお客様の使い方が同じとは限りません。
だから、良い商品を作って届けるだけではなく、その商品の魅力を、できるだけ大きく体験してもらうところまで設計する。ここが初回購入後のCRMではとても大切です。
そして通販には、このタイミングで非常に強い接点があります。
同梱物です。
メールは開かれないかもしれません。LINEも見てもらえないかもしれません。
でも、商品を開封したお客様なら、商品と一緒に入っているものは手元に届きます。
それなのに最近は、この大切な接点が「キャンペーンのお知らせ」「次の商品を売るチラシ」だけになっているケースも少なくありません。
同梱物は、情報を増やすためだけのものではありません。
ブランドを知ってもらう。商品の使い方を理解してもらう。「これで合っている」と安心してもらう。もっと楽しめる方法を知ってもらう。
商品だけでは伝えきれない体験を、後押しするものです。
AIによって、メールも広告もLPも大量に作れる時代になりました。だからこそ、商品と一緒にお客様の手元へ届く、この物理的な接点の価値は、これからむしろ高まるのではないかと私たちは考えています。
今日、ひとつ見るなら
自社の商品を、初めて買ったお客様になったつもりで開封してみてください。中に入っているものは、「次の商品を買ってください」でしょうか。それとも「この商品を買ってよかった」を増やしてくれるものでしょうか。
接点4 F2転換前|F2転換率が低いとき、私たちはF2だけを見ません
初回購入は取れている。でも、2回目につながらない。
通販では、初回購入者が2回目を購入することを「F2」と呼びます。ここは、売上を積み上げていくうえで非常に重要な数字です。
では、F2転換率が低かったら何をしますか?
リピートクーポンを送る。次の商品を紹介する。セールメールを増やす。
もちろん、それが必要な場合もあります。でも、その前に考えてほしいことがあります。
そのお客様は、1回目に買った商品を十分に好きになっていますか?
商品を買ったばかりなのに、「こちらもおすすめです」「今なら20%OFF」「次はこれを買いませんか?」と、次から次へと売り込みが届く。
企業側では「クロスセル」「F2施策」です。でも、お客様側から見れば、「この前買ったばかりなのに、またお金を使ってと言われている」とも感じられます。
一時的には売上が上がるかもしれません。でも、「この会社から届くもの=売り込み」と思われたらどうでしょう。
メルマガは開かれなくなる。LINEも見られなくなる。やがてブロックされる。
今日の売上を取りにいったコミュニケーションが、明日の売上を作る接点を壊してしまうことがあります。
初回購入後は、まだお客様の気持ちが熱い時期です。だからこそ、売り込む前に伝えられることがあります。
より良く使う方法。もっと楽しむ方法。よくあるつまずき。ブランドがその商品を作った理由。
商品への満足度を高め、「これを買ってよかった」を育てる。その先に、2回目があります。
だから私たちは、F2転換率が低いとき、F2のメールだけを見ません。
どんな広告から来たのか。LPで何を約束したのか。商品が届くまでに期待を作れたのか。届いたらすぐ開封してもらえたのか。正しく使えているのか。商品の魅力を十分に体験できているのか。購入後のコミュニケーションが売り込みばかりになっていないか。
F2は、2回目購入の直前だけで作られる数字ではないからです。そこまでの顧客体験の結果として、F2という数字が現れます。
だから「F2を上げたい」と相談されたとき、答えが必ずしもF2施策にあるとは限りません。

→ F2転換率が上がらない原因を、「初回購入後の顧客体験」から詳しく見る
今日、ひとつ見るなら
初回購入から2回目購入までに、お客様へ送っているものをすべて並べてみてください。そして、「買ってください」と「買ってよかったと思ってもらうための情報」、どちらが多いか、数えてみてください。
接点5 継続・解約前|解約率を見るとき、「解約した日」だけを見ない
定期購入や継続サービスで、解約が増えてきた。
すると、「価格が高いのでは」「商品に飽きたのでは」と考え、値引きや解約防止キャンペーンを始めることがあります。
でも、解約ボタンを押した日は、お客様の気持ちが離れた日ではなく、最後に決断した日かもしれません。
その前から、商品が余るようになった。使う頻度が下がった。メールを読まなくなった。生活の中で必要性を感じる場面が減った。そんな小さな変化が起きていることがあります。
たとえば定期通販なら、商品の消費ペースは全員同じではありません。
毎月届くけれど、使い切れない。家に商品が2つ、3つとたまっていく。
商品が嫌いなわけではなくても、それだけで「いったんやめよう」になります。
必要なのは値下げではなく、配送サイクルを変えやすくすることかもしれません。
また、決済エラーなど、そもそも「辞めたい」という気持ちとは関係なく継続が止まる場合もあります。
つまり、解約=不満とは限りません。
今日、ひとつ見るなら
解約理由の一覧を見る前に、「何回目で解約が増えているか」を確認してみてください。特定の回に集中しているなら、そのひとつ前で何が起きているかを見る。解約した人を引き止めるより、その前の小さな変化を見つける方が有効な場合があります。
5つ全部を改善する必要はありません
ここまで5つの接点を見てきました。でも、すべてを一度に改善する必要はありません。
大切なのは、数字が悪い → すぐ施策と進まないことです。
LPのCVRが低いから、LPを作り直す。LINEの反応が悪いから、配信数を増やす。F2転換率が低いから、クーポンを出す。解約率が高いから、値下げする。
その施策が間違っているとは限りません。でも、本当の原因が別の場所にあれば、いくら施策を増やしても改善しません。
私たちが顧客導線を見るときは、一つの接点だけで判断しないようにしています。
広告で何を伝えたのか。LPで何を約束したのか。購入後、どんな体験をしているのか。次のコミュニケーションはどうなっているのか。その結果として、F2や継続率はどう変わっているのか。
前と後ろをつなげて見る。
すると、「LPが悪いと思っていたけれど、実は獲得しているお客様が違った」「F2メールの問題だと思っていたけれど、初回の商品体験でつまずいていた」「価格で解約されていると思っていたけれど、商品が余っていただけだった」ということが起こります。
だから、広告費を増やす前に。施策を増やす前に。まず、自社のお客様がどこで止まっているのかを見つけてみてください。
そして、その場所だけを見るのではなく、その前に何があり、その後どうなっているのか。そこまで見ると、今までとは違う原因が見えてくるかもしれません。

自社だけでは、原因が見つけにくいこともあります
顧客導線は、一つひとつの施策だけを見ていると、問題が見えにくくなることがあります。
LPだけを見る。LINEだけを見る。F2だけを見る。
それぞれは間違っていなくても、前後をつなげた瞬間に、別の原因が見えてくることがあります。
OFFICE141の「顧客導線レビュー」では、LP、LINE・メール、初回購入後、F2、継続までを一つの導線として確認します。
施策をご提案する前に、今、どこで止まっているのか。そして、なぜ止まっているのか。まず、そこから一緒に見つけていきます。

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